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2009年 09月 27日
少し前・・・というよりも
ずいぶん前に読み終えているのに 紹介する気分まで、全く行かず しかも、本棚から姿を消して、扉付きの書棚の オークの扉の奥の奥へとしまいこんだ本。 これは、息子にも娘にも読んで欲しくない。 読んで欲しくないけれど いつかは、こういう現実があるのだと 知る時が来るのだろう。 でも、それはできれば 私が導くのではないほうが 望ましいから・・・隠してしまったのだった。 きみといつか行く楽園 アダム・ラップ 作 代田亜香子 訳 徳間書店 私はこの本を訳されている時 一語一句を読んでいる時 代田さんはどんなお気持ちだったんだろうと想像した。 仕事では割り切れない感情が沸々と沸き上がったんでは なかったろうか、と。 この小説は、たとえ作り話だとしても 現在の世界の各地で 似たようなケースはおおいにあるんじゃなかろうか。 おおいに、なんて書きたくないけれど それが現実なんだと、思うのだ。 ペドフィリアという言葉を知っているだろうか。 簡単に言えば「児童性愛」。 この小説に出てくる少年は11歳。 母親とつきあっていて、もしかしたら父親になるかもしれない アルの家から逃走する様子から始まるが なんとも緊迫している。 緊迫どころか、戸惑いと喪失と驚愕と 全ての恐怖の感情がもやもやとして渦巻いている。 後に、少年ブラッキーは、アルに性的悪戯をされたことがわかる。 少年の家の様子はひどい。 汚れていて、洗濯物もたまっていて まともに食事もない状態。 父親はDVで、母親とは離婚。 母は、一人で3人の子どもを育てている。 一人は娘で麻薬中毒。売春。窃盗。 独りで生きて行くためには、やるしかないと覚悟を決めたシェイ たしか17歳。 たしか、なんていう言葉で本の紹介をしてはいけないのに 私は震えてしまって、なかなか扉を開けないのだ。 ブラッキーの弟は、超天才のIQの持ち主で いつもブラッキーとも会話が噛み合ない。 このものがたりは、ブラッキーが悪戯をうけたことと そこからはじまる少年の意識喪失のような状態と 強迫観念のようなものに加え それでも、優しく父親のように接してくれたアルへの複雑な思い、 アルにされたことを親友に話してから クラス中にばらされ、いじめられていく少年。 拳銃を手にするために、おこずかいも渡し 足りない代金をハンドジョブで払ってしまうところ。 自分をどうでもいいように扱いはじめた時に きちんと向き合って話せる友人メアリ・ジェーンと出会う。 彼女は同じクラスで、ずっといじめられている女の子。 なにも話していなくても 心をわかりあえることができるんだ。 ある日 ブラッキーはそう思ったのだと思う。 無意識に助けを求め、よりかかりたくて仕方ない 自分が消えていくような思いを 彼は拳銃をてにすることですこし確固たるものに したかのように見えた。 でも、そうではなくて、 強さを教えてくれたメアリのおかげ。 弱かったブラッキーが 誰もわかってくれない、大人でさえ理解してくれない 自分たちの行動のために トラブルに巻き込まれて行く、メアリと自分のために、 メアリのために、メアリを守ると決意をしていく様子は 涙がでてとまらない。 一人の少年が、立派な大人になっていくための プロセスに、こんな仕打ちはいらないだろうと 拳が固くなっていたこともあった。 本の話なのに、私はいつもブラッキーに同情していた。 そして、早くしまいこんでしまいたかった。 読みはじめて1日で読んでしまったのもそういうわけだ。 なんの合間にも取り憑かれたように ページを捲った。 そうだ、本を読めばわかるけれど、銃を買ったのは シカのためかもしれない。 シカを、一頭のシカを森の奥深くまで追いかけていけば、 パラダイス(楽園)に行ける。 そんな会話をメアリとしてたから。 最後のほうでメアリは苛めが原因で重傷を追う、 そのあとでからかってきた二人にブラッキーは発砲するのだが その時に瞬時にリンクしたのは 『コロンバイン高校乱射事件』。 頭の中には、怖いきらい澄みきった空と、ゆっくり動いて行く雲。 ガス・ヴァン・サント監督の「エレファント」が映る。 きっと、アメリカでは、ここの会話は正直なんだろう。 そして、妙に感情的じゃない文体に こちらが汗ばむのかもしれない。 リアルすぎて、震えがくる。 刹那すぎて、涙がでる。 こんな社会は、ないほうがいいに決まってるし こんな思いをさせちゃいけない。 じゃ、何からはじめればいいんだろう。 深い、ふかい話。 でも、こういう変わったものを受け入れない社会が 蝕む心を養成するのだろうと思う。 代田さんが書かれているように 私もメアリとブラッキーが楽園にいけるように祈るのみだ。 この本を読む少し前に、日経新聞で驚くべきニュースが掲載されていた。 税務署員が未成年との性的交渉で逮捕。 と思ったら、なんと、その税務署員は男性で、 相手の14、5歳だかの子も 男子だった・・・・。 そして、その数日後、偶然つけた深夜に放映されていたのは 『闇の子供たち』という映画。 どれもこれも、数日開いているのだけど、 極めつけは、この作品で・・・・。 やはりいまだに、思い出すだけでしこりが胸につっかえる。 ブラッキーが文中よく使う言葉を借りるとすれば のどにげんこつがつかえている感じ。 重たい話だけど、繊細で、少年と少女の現実が見えてくる 貴重な一冊です。 私は日本でなら、高校生以上にすすめたい。
by soritant
| 2009-09-27 23:43
| 大人の本
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