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2008年 06月 13日
その本は、わりと目につかなさそうな場所にたてかけてあった。 いちばんには気づかないところ。 でも 視線はそこに投げかけられ 手に取っていた。 それは、背表紙のマンゴー色の題名のとマンゴー色のネコのせいかもしれない。 表紙を眺めていると・・・あっ やられた・・。と思った瞬間に 店主が「あのね、共感覚ってご存知ですか?」と聞いてきた。 キョウ感覚? 聞くと「共感覚っていうのは、例えば音を聞くと色が見えるというように、五感のうち2つ以上の感覚が同時に働いて起こる知覚現象のことなんですよ。 その本、主人公がその共感覚を持っている少女なんです」 見返しについているカバーの返しを読む。 「マンゴーはあたしのネコ。 マンゴーって名前は、みんな、目がオレンジ色だからだと思っているけど、そうじゃ ない。 ゴロゴロ鳴らす音、ミャーオという鳴き声、 それに、マンゴーのいた場所や、歩いたあとなんかが 季節ごとに色がちがうマンゴーの色にそっくりだったから・・・」(抜粋) そして いっきに引き込まれた。 たしかこれを最初に手にしたのは、一昨年の秋。 いまでも 思い出すだけで 胸がきゅんとなって 亡くなった義父や、私の祖父母を思い出す。 本の題名は マンゴーのいた場所 ウェンディ・マス 作 金原瑞人 訳 まず 金原さんの訳はとても素敵だと思う。コミカルなものはコミカルに。 クールなものはクールに。 原本を読んだことないし、また読めないけど きっと感覚的にも 作者の気持ちにとっても近い訳を金原さんはされる人だといつも思う。 金原さんは、とってもおもしろい人のようだけど(彼は大学の教授だけど最近はほとんど講義をしていないようだと噂で聞いたし、『蛇にピアス』の金原ひとみさんの父でもあるわけで、 彼女曰く「父はもっと恥ずかしく書け!と言います」と書いていたけど・・あれ以上の赤裸裸な文章だと『蛇にピアス」はどうなるかとドキドキしてしまう)・・・・あっ すっごい脱線。 でも 訳者が金原瑞人さんの場合、まずはずれはないと認識しても良いと思う。 この本だって ちゃんと13歳の女の子が書いた本のように訳されている。 さて やっと本文。 主人公は、共感覚を持つミア 13歳。 彼女には大きな秘密がある。それは自分が数字や音を聞くとそれが全部『色』として見えているということ。 8歳の算数の時間の時に24×9を解く使命を与えられた時 『本当の色を使って』解こうとしたら みんなに変な目でみられ そういう扱いを先生にもされた。 その時はじめて 彼女はみんなが持っている感覚じゃないことと 簡単に友だちじゃなくなる絶望感を味わう。 先生に否定された瞬間のことをこう表現している。 「急に自分が小さくなった気が、皮膚がどんどん縮んで、本当に小さくなっている気がした。」 結局、彼女は問題行動を起こしたと思われ 校長室に親とともによばれた。 なんで数字に色があるとか言ったのかと聞かれても 「ふざけてただけです」と答えることを選択したミアだった。 8歳にして、孤独と自分を守り通すためにつく嘘を持ってしまった彼女の 唯一 心を許せるおじいちゃんの死。 おじいちゃんのお葬式の日に出会った、おじいちゃんと同じ「すべてわかっている目」を見て一目て好きになってしまう猫 マンゴー。 でも自分のことでいっぱいだったミアは、マンゴーが持病の喘息で死んでしまったことに責任を感じてからっぽになってしまう。 このあと、家族や友人の助けによって、マンゴーの死とはじめておじいちゃんの死も受け入れることができたことに気づく。 この本は、おじいちゃんをマンゴーに重ね、最愛のおじいちゃんを失った悲しみと彼女自身が乗り越えなきゃいけない障害が『共感覚』だと知ることで、自分の自信を取り戻し、自分らしく生きて、周りに助けられながら、ひとつ大人になっていく様子を本人の語り口調で書かれている本です。 10代のどことなく不安気な世界で生きる心の葛藤と憧れる初恋、戸惑う友人関係。 30代も終わりになってきた今ならあの頃の孤独感も無駄ではないとわかる。 何をしても失敗するような、何をしても恥ずかしいような、 でも 何でもできそうな。 でもとても不安ではちきれそうな。 親に話したくても話せない そんな時もある。 それがどんなに大きなことでも 小指ほどのちっぽけなことでも・・・。 12、3歳になったら わたしは迷わずにこの本を娘にプレゼントする。 きっと心の助けになるから。 いつでも思い出すと抱きしめたくなる そんな本の1冊です。 最後に、この世におじちゃんはいなくても おじいちゃんはマンゴーというプレゼントを残し マンゴーは、マンゴーの子どもたちをミアに残しました。 映画化された『西の魔女』では、おじいちゃんはおばあちゃんにたくさんの野苺をプレゼントします。 そういうのって・・・・いいなと思います。
by soritant
| 2008-06-13 23:23
| 児童書(中学生以上)
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