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2008年 12月 03日
次は、絶版ですが紹介します。
ぜひ図書館で手にとって欲しい絵本です。 『クリスマスのまえのばん』 さく クレメント・C・ムーア え ジェシー・W・スミス やく ごとうみやこ 新世研 まずこの絵本の画家のスミスは、1863年のフィラデルフィア生まれ。 偶然にも先に紹介したデンスロウと同じ出身地。 子どもを描くことが優れていると紹介されています。 表紙の絵が可愛いですよ。 子どもたちが靴下をさげにいく所なんですね。 ながーい靴下を持ってる子もいれば、2足持っている子も。。。 中表紙の祈る女の子は、ほんとうに愛らしいの一言です。 この絵本は、1912年に出版されています。 当時の雰囲気が楽しめる1冊。 デンスロウと違うのは、ちょびっとふてぶてしいとりすました感じの ニコラスという感じ。 でも 目の奥でいたずら心を隠せない陽気さは伝わってきます。 もしかしたらですが、スミスは、 ケイト・グリナーウェイの絵に影響されているのかもと思いました。 というのも、ケイトの描く女の子にちょっと似ていると感じたのです。 時代はケイト(1846-1901)の方が少し先なので可能性としてはあるでしょうね。 またこの裏付けの話は、彼女の作品を紹介した時に話します。 1912年は、第一次世界大戦が始まる2年前になります。 最初にデンスロウが出版した1902年から10年の間で、大きな戦争が 起こりそうな事件はあちこちで起こっています。 もともとムーアが詩を新聞で発表した時は、 イギリスで産業革命がはじまり、暗い背景もありながら いろいろなことが活発化はじめた時。 夢にあふれ、経済も大きく動こうとしている時にこそ こういった心の内面に働きかける静かなものこそが 必要とされていたのかも、、、とちょっと思ったりします。 この絵本は、日本で2001年に出版されましたが、残念ながらもう発売されていません。 この絵本の魅力は、英語と日本語の両方掲載されているところと やはり時代を感じる絵だと思います。
by soritant
| 2008-12-03 23:17
| クリスマス絵本
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